「嫁」「妻」
どちらも同じ人物のことを指していますが、この違いって何でしょう。
夫は配偶者をなんと呼べば正しいのでしょう。
「嫁」も「妻」も結婚した女性のことです。
「結婚した女性」のなかで、夫の家に嫁いだ女性が「嫁」、夫のいる女性が「妻」と表現されます。
その女性に対して舅(しゅうと、夫の父あるいは妻の父)、姑は「嫁」、配偶者は「妻」と呼ぶのが正しいです。
嫁と妻の違いは何?
嫁も妻も同じ一人の女性を指しています。
先ほど「結婚した女性」のなかで、夫の家に嫁いだ女性が「嫁」、夫のいる女性が「妻」と表現されると言いましたが、この二つの文字の意味を調べるとよくわかります。
まず「嫁」という字ですが、これは「女性が夫の家に嫁ぐ」という意味を持っています。
「家に」というワードがポイントです。
同じ「妻」でも、夫の家に嫁いだ女性のみが「嫁」と呼ばれるということになります。
古くは「嫁」とは、嫁いだ先の家で夫の母親が亡くなり「主婦」となるまでの間の呼称だったようです。
では「妻」はどうでしょう。
「妻」という字は「結婚して夫のいる女性」という意味を持っています。
ここに「家」は関係ありません。
あくまで「夫がいる」ことが前提です。
「嫁」が夫の家に嫁ぐことで得た立場を現しているのに対して、「妻」は夫のいる女性という状態を現しています。
「嫁入り」という言葉があります。
嫁に入るとは言っても、妻に入るとは言いませんよね。
入るとは、相手の家に入るということ。
広い意味で夫の姓を名乗るということ。
「嫁」という表現には、結婚する相手の家の存在を切り離すことはできません。
逆に、夫の家に入らなくても、夫の姓を名乗らなくても「妻」は妻ですからね。
つまり、「嫁」というのは、嫁いだ先の家で夫の親である舅、姑から見た立場、「妻」は、夫から見た配偶者そのものを現しているともいえます。
夫からはどれが正しい?
男性が自分の配偶者を他人に紹介する時、何て言いますか?
いろんな言い方がありますよね。
妻、嫁、女房、家内、奥さん、かみさんetc 中には「うちの奴が」なんて言い方も…
正しくは「妻」です。
「妻」は法律によって認可された女性のことでもあり、それにより相続や子どもの養育等に権利と義務を負うことになります。
公的な書類なんかでもすべて「妻」と表記されます。
「妻」以外の言葉も確かに配偶者を指しているので間違いではなさそうですが、これ実はちょっと問題があるんですよね。
「嫁」はそもそも夫の親が息子の妻に対して使う言葉です。
「女房」は、言葉の意味をよくよく調べると使用人のことを指しています。
「家内」は家の中という意味で、転じて「家の中にいる人」つまり奥さんということのようですが、そもそも人に対して使う言葉ではなかったんですよね。
では「奥さん」はというと、本来は友人や知人の配偶者に対して使う言葉です。
対外的には「妻」が無難ということでしょうか。
迷ったら「妻です」というのが一番良いのではないかと思います。
親しい友人などなら他の言い方でも良いと思いますが…
ただし、「嫁」「家内」などに拒絶反応を示す女性も少なくありません。
「嫁です」「家内です」と紹介されて、顔では笑っていても心の中でイラッとしていることも…
自分の奥さんに「なんて呼ばれたい?」と聞いてみるのもいいかもしれませんね。
まとめ
時代とともに、結婚に対する考え方は変わってきています。
それに合わせて、古くはそれぞれの立場に合わせて呼ばれていた「嫁」「妻」「主婦」などの呼称も曖昧に使われていますよね。
正しい意味は忘れられていて、イメージだけが定着してしまっていることも多いと思います。
女性が「嫁」と呼ばれることに拒絶反応を示すのも、嫁いびりとか悪いイメージが先行しているからかもしれません。
本来は決して悪い意味ではなかったんですよね。
古い慣例や習慣が全ていいとは思いません。
大切なのは今でも通用する呼称の意味と正しい使い方、使う場所を知っておくことだと思います。
対外的に正しい呼び方と女性が心から嬉しいと感じる呼び方を知ることで、夫婦仲良く過ごしてくださいね。